そして、ついに北尾氏が登場。壇上に上がると、会場は割れんばかりの拍手に包まれた。
「私は今までに8冊の著書を書いているんですが、出版記念講演会をするのは初めてなので少し気恥ずかしい気持ちです。」
日本を代表する実業家の一人である北尾氏の口からこぼれるこんな素直な発言に、会場はどっと笑いが起こり、一瞬にして和やかなムードに。
北尾氏は、全国の読者から寄せられた感想文を交えながら『何のために働くのか?』について、こんな風に語った。
「人生の成功というのは、自分の天命を知り、仕事を通してそれを体現し、周囲の人や世の中に貢献することだと思います。」
やさしく語りかけるように話す北尾氏。
会場の大きなスクリーンには孔子など中国古典の引用や、北尾氏の考えをまとめた資料が次々に映し出され、600人以上の聴衆がステージ上の北尾氏に惹きつけられていく。
「天命を知ることは大切ですが、これに早い、遅いというのはありません。私自身、自分の天命が本当に分かったのは49歳の時。それよりも大切なことは、天命を発見しようとする熱意や、意思を持つことです。それに加え、素直な気持ちを持てば、自然と自分の天命が見えてくるはず。」
「大切なのは、自分の人生に起こることをまず受け入れ、認め、打ち込むこと。『やりたいことじゃない』『自分はこんなもんじゃない』とすぐに判断せず、目の前のことに精一杯打ち込む。それが不思議な縁を生み、自分をここまで導いてくれたのです。」
北尾氏自身、大学の進学前は医師を目指していたという。それが、不思議な流れで医学部ではなく、経済学部に入学し、そして、現在まで繋がっているのだという。 |