ニート、フリーター、会社員、派遣社員、SOHO、独立起業。
今日、私たちを取り巻くワークスタイルは、過去に類を見ないほど多岐にわたっている。

確かに、選択肢が増えることは好ましいことではある。しかし時として多すぎる選択肢は、私たちに迷いや不安をもたらす。

「自分はなぜ、この仕事をしているんだろうか?」
「ここでこの働き方をすることが合っているのだろうか?」
「そもそも自分は何のために働いているのだろうか?」

あなたも一度や二度は、このような問いを持ったことがあるかもしれない。今と言う時代は、社会全体がこのような問いを持っているのかもしれない。

SBI代表北尾氏による著書、『何のために働くのか?』が発売後すぐに10万部以上を売り上げ、高校生から60代、70代という幅広い層から大反響を得ているのは、偶然ではないだろう。

そして今日、
「自分は何のために働くのか?」
「自分の天命は一体何なのか?」
生きること、働くことへ真摯に向き合う全ての人に向けた
『何のために働くのか』出版記念特別講演会が開催された。

講演会の告知後すぐに満席となり、100人以上の方をお断りせざるを得なかった本講演。セミナーズ取材班も社会人の一人として、「自分は何のために働くのか?」の想いを胸に、潜入した。

本日の講演会はまず、『何のために働くのか?』版元の致知出版社代表、藤尾氏の講演から始まった。

藤尾氏は、曹洞宗の開祖、道元禅師と弟子とのやり取りを噛み砕いて紹介しながら、人生を成功させる上で必要なことについて語った。

北尾 吉孝 (きたお よしたか)


1951年1月21日兵庫県生まれ。
慶應義塾大学経済学部卒業後、野村證券株式会社入社。
ケンブリッジ大学経済学部を卒業し、野村證券株式会社海外投資顧問室、同ニューヨーク拠点(NSI)、同第二事業法人部次長を務める。その後ワッサースタイン・ペレラ社(ロンドン)常務取締役、野村企業情報株式会社取締役に。
1995年、21年間勤務した野村證券株式会社を退社し、ヘッドハントされたソフトバンク株式会社に入社し、常務取締役に就任する。
1999年 ソフトバンク・インベストメント株式会社(現・SBIホールディングス株式会社)代表取締役社長CEO。
2001年 インフォトレーダー株式会社取締役社長。

実業家としてビジネス界で活躍する一方、恵まれない子供達への支援活動にも精力的に取り組んでいる。5年がかりで準備を進めていた『虐待された子どもたちを擁護する施設』が本年中に埼玉にて完成予定。

そして、ついに北尾氏が登場。壇上に上がると、会場は割れんばかりの拍手に包まれた。

「私は今までに8冊の著書を書いているんですが、出版記念講演会をするのは初めてなので少し気恥ずかしい気持ちです。」

日本を代表する実業家の一人である北尾氏の口からこぼれるこんな素直な発言に、会場はどっと笑いが起こり、一瞬にして和やかなムードに。

北尾氏は、全国の読者から寄せられた感想文を交えながら『何のために働くのか?』について、こんな風に語った。

「人生の成功というのは、自分の天命を知り、仕事を通してそれを体現し、周囲の人や世の中に貢献することだと思います。」

やさしく語りかけるように話す北尾氏。

会場の大きなスクリーンには孔子など中国古典の引用や、北尾氏の考えをまとめた資料が次々に映し出され、600人以上の聴衆がステージ上の北尾氏に惹きつけられていく。

「天命を知ることは大切ですが、これに早い、遅いというのはありません。私自身、自分の天命が本当に分かったのは49歳の時。それよりも大切なことは、天命を発見しようとする熱意や、意思を持つことです。それに加え、素直な気持ちを持てば、自然と自分の天命が見えてくるはず。」

「大切なのは、自分の人生に起こることをまず受け入れ、認め、打ち込むこと。『やりたいことじゃない』『自分はこんなもんじゃない』とすぐに判断せず、目の前のことに精一杯打ち込む。それが不思議な縁を生み、自分をここまで導いてくれたのです。」

北尾氏自身、大学の進学前は医師を目指していたという。それが、不思議な流れで医学部ではなく、経済学部に入学し、そして、現在まで繋がっているのだという。


受付には沢山の人だかりが




中国古典を引き合いにし、語る

さらに、仕事をする上で大切なこととして

「『仕事を楽しむこと』が大切です。でも、『仕事を楽しむ』というのは、結構難しいんですよね。私も今でもまだ、これは100%はできていないです。」

と、素直な心境を語った北尾氏。その言葉に、会場からも笑いがおこった。最後のQ&Aセッションでは、現在アメリカの大学に留学中という男子学生が質問。

「北尾先生のような経営者になるために、大学生のうちにやっておくべきことは何ですか?」

そんなまっすぐな質問に対して、

「それは、野心と志の違いを知り、大きな志を持つこと。野心というのは、自分だけの得、自分だけのことを考えることです。志というのは、世のため、人のため、つまり、他を立てる事です。そして、大志を持つにふさわしい人間学を学ぶことです。」

と、答えた。そのシンプルな回答の中に、北尾氏の仕事に対する哲学、人生に対する哲学が凝縮されていると感じたのは、私だけではないだろう。

最後には、「感想文コンクール」も行われ、今回の出版記念講演会は大盛況のうちに終わった。終了後、コンクールの入賞者に感想をいただいた。

「会社の社長から頂いたので『何のために働くのか』を読みました。中国古典の引用も多く、孔子の故郷、山東省出身の私にはとても親しみ深く感じられました。北尾さんの『仕事を楽しむことが大切』という言葉にとても共感しました。」(張 暁偉さま 女性)

「雑誌で北尾さんと稲盛さんが対談しているのを読み、北尾さんの考えをもっと深く知りたいと思い、本書を読みました。北尾さんの考えにとても共感をしたので、自分自身の人生を重ねて感じることを綴りました。」(宮崎 淳吾さま 男性)




コンクール受賞者の方々

「とても共感しました」
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「もっと北尾氏を知りたい」

編集後記

「何のために働くのか?」

私自身、常にこの問いを持っており、北尾氏から生の話を聴けることをとても楽しみにしていました。参加者の年齢は幅広く、やはり「何のために働くのか?」ということは働き始めた若者だけではなく、仕事をする全ての人に共通する普遍の問いであることを再確認しました。

そして今日、北尾氏の話を聴き、答えがすぐに出なかったとしても、常に「自分は何のために働いているのだろうか?」の問いを持ち続けることが大切なのだと感じました。