セミナーズインタビュー 
(株)ベンチャー・サポート・ネットワーク 吉田雅紀さん

ドリームゲートの立役者が語る。起業・創業はこんなに簡単だ!
【セミナーズインタビューについて】
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【吉田 雅紀さん プロフィール】
昭和29年生まれ、同志社大学を卒業。
小泉産業株式会社入社後、社内ベンチャーとして、ポムアレーを立ち上げ、社長に就任。
その後、自らのベンチャー経験を生かし、(株)ベンチャー・サポート・ネットワークを設立、代表取締役社長に就任。
日本に起業文化を確立し、起業家が尊敬される日本を作りたいとの思いから、2003年4月に、経済産業省後援の起業家支援組織、ドリームゲートを立ち上げた。
ドリームゲートの登録者は、なんと30万人を越えているとのこと。
現在では、関西学院大学専門職大学院経営戦略研究科の教授をしながら、ご自身も起業家としていくつかの会社を経営し、上海など海外でも事業展開を行っている。



S: セミナーズ Y: 吉田 雅紀さん


(S)

吉田さん本日は、よろしくお願いいたします。 さて、吉田さんと言えば、ドリームゲートの立役者として、アントレプレナー、つまり起業家の支援を中心にご活躍されていますが、成功する起業家に共通点はあるのでしょうか?もしあるとすれば、どういった点ですか?

(Y) 起業という観点では、小さく始めて、大きく育てる、できるだけお金がない状態でスタートする方が成功するんです。
というのも、事業を立ち上げていく上で起こる課題・問題は、ほぼ99%お金で解決することができるんです。だからこそ、お金で解決してはいけないのです。お金で解決したらノウハウがたまらない。お金がないから知恵を出して解決しようとする。したがって、やりくりしながら何とかしようとした経験が、大きな企業に育った時に役立ってくるんです。
あとは、「明るく、元気に、前向きに」ということが重要です。空元気でも、空明るくでも、空前向きでもいいんです。それを続けているうちに、それが本物になっていく。何があってもへらへら笑っていることが大事なんですね。
それに加えて重要なのは、「そこにいて準備ができている」こと。「準備ができている」というのは、例えば、サッカーの控え選手がいつ交代を指示されてもいいように、常にウォームアップできていることですね。野球の代打も同じなんです。その試合に入り込んでいることが大事なんですよね。プレーヤーと同じテンションになっていないといけないんです。そうすると急に指名されても対応できる。そういう意味で常に準備ができていないといけない。
「こんな仕事があるんだけど」、って誰かに言われた時に、「任せてください!」ってすぐにスタートダッシュが切れる準備ができていること。それが大事です。
そして、「そこにいて」、というのは、例えば、社長の人達と食事としている時に、ホームページの改修の話が出たとします、そこで誰かが手を上げるんですね。実は、その手を上げた人はホームページを作る仕事をしているらしく、その場でその人にホームページの仕事がいったりするんです。
じゃあ、その場とはどの場かというとそれはどこかわからない。でも家や会社ではない所というのは確かです。とにかく、誘われたら断ってはいけない。アクティブに行動的に動きなさい。ということですね。

(S)

起業と言うハードルは、皆さんが考えているより、ずっと低いというお話ですが、これから起業しようと考えている方には、なかなかそう思い切れない部分もあると思います。もう少し具体的に教えていただけますでしょうか?

(Y)
実は、事業を始めて2年くらいは給料でなかったりするわけです。そして、一生懸命頑張るとちょっとずつでも成果が出て、大きくなっていくんです。
しかし、最初の2年間ぐらい頑張って芽が出ないとサラリーマンに戻ってもいい。失敗したとしても、その2、3年間の経験はお金で買えない、非常に貴重なものなんですよ。
また、事業を始める時には、できることから始めればいい。一気に大きくなることはないんですからね
例えば、スノーボードの販売を行うというビジネスをやりたいと言ってた人がいて、店舗の開業資金に、1000万必要と言ってたんですね。でも、それは違うと思い、できるところからやれと言いました。例えば、周りの友人に売ることから始めればいい。飯は最初から食えないけど、1000万の借金背負うことより、よっぽどリスクは小さい。できる範囲しかしてないから、リスクもそんなに大きくない。
こうでないからいけないという思い込みがあるんで、それをまずは崩さないといけないんですね。

(S) 吉田さん本「君も社長になろう。」の中で、ビジネスアイデアがなければ「ブラブラしなさい」、仕事がないなら「ブラブラしなさい」という吉田さんのメッセージに、なるほど!と思ったのですが、その内容と、そう思うようになったきっかけや背景を教えてください。

(Y) 自分でビジネスを起こしていきたい人の中で、アイデアがないという人がいる。そんな時、その人に言うのは、「ぶらぶらしなさい」ということです。ただし、一生懸命ぶらぶらしないさいと言います。
一生懸命ぶらぶらしていると、いろいろと見えるものが違ってきて、次のビジネスのアイデアが転がってるのに気付いたりするんです。
ある上海でお会いした方が、金融機関を辞めて奥さんの地元の上海に行った時に、ぶらぶらしていたんですよ。そして、ついには上海だけではなく、シルクロードやトルコまでぶらぶらしてしまった。そうしたら、そのぶらぶらの途中で、中近東の素晴らしい工芸品をみつけて、それを上海で商売にしているんですね。
ぶらぶらはチャンスなんです。失業中はぶらぶらのチャンスなんです何よりも、ぶらぶらするなどして、体感するということが一番大事だと思います。

(S) 避けられない苦労と言うものには、真っ向勝負するしかない、とありますが、吉田さんの起業やコンサルティングを通じて経験された、起業における「避けられない苦労」というものを教えて頂けますでしょうか?

(Y) 頭を下げればことがすむ様なことがあれば、すぐに行動を起こして謝ったり、ってことが大事なんです。たいていの場合は、失敗をしたことより、なぜ今まで言ってくれなかったのか、ってことで怒られる。 何千万の受注なら行動をすぐ起こすと思うのは当然だと思う。でも大事なのは、得にはすぐにつながらない、謝る必要があることとかいう、一番嫌な仕事をすぐに行動を起こして解決することです。

(S) ビジネスアイデアから、現実的に収益を上げられる「ビジネスプラン」にする上で、先に進めない起業予備軍は、多いのではないかと思いますが、そのプランを作り上げる上でのポイントを教えて頂ければと思います。

(Y) 例えば焼き物の製作過程を例に考えてみます。
一番最初(アイデアの段階)では、粘土みたいにぐにゃぐにゃでいい。それを形を整えて釜に入れるのがビジネスプランを作るということです。その後、かっちり焼き上げるのがビジネスのスタートです。
大概の人はビジネスプランを作るときは何らかの雛形を使うことが多い。その時のコツは、書ける所から書くということ。商品がどんな物かわかればそれを書く。書けない所は考えても書けないから、項目ごと削除していい。項目がうまらないと、自信をなくしてします。それを避けるために項目を削除して、まずは第一弾として書きあがればいい。
その後に大事なのが、それを持って、いろんな人の所に話しをしにいくということです。ビジネスプランに試練を与えていく、ということですね。そのうちに、いろんな人のアドバイスをいただいたりすることで、他の項目もちゃんと埋まっていく。そうしていくうちに、ビジネスプランは出来上がっていく。
そのビジネスプランを作り上げていく過程が、実は、ビジネスプランの肝になっている。ビジネスプランをブラッシュアップしていいものにしていくのは、自分一人ではできないものなんです。

(S) アイデアの元の形に固執し続けると、商売として成功できない可能性がある、創業時に始めたままのスタイルを維持して、長年同じ事業を続けている起業家は、ほとんどいないと言うお話ですが、それはなぜですか?

(Y) 僕もいろいろと失敗しているんだけど、世の中ではほとんどといっていいほど、最初にスタートしたビジネスがそのまま続くということはないと思う。
実際にビジネスを形にしていく中で、いろんな人に説明し、そしてその中から新たなビジネスのチャンスが浮かび上がってくる。
だから、まず行動しないといけないんです。必ずしもその浮かび上がったビジネスのチャンスをつかんでも成功しないかもしれない。
でも、考えているだけでは、何の結果も生まれてこないんですね。
起業して数年間食えないかもしれないけど、その数年間でその後の人生を決めるチャンスにめぐり合うかもしれない、ということです。

(S) 起業家にとっては、「何を知っているか」というノウハウより、「誰を知っているか」というノウフーに価値があるというその理由を教えてください。

(K) この時代は技術革新が激しく、知識を自分で増やしている時間はない。だから、その代わりに必要な知識を持っている人を探せばいい。
また、うまくアライアンスを組んで、みんなで利益をシェアすることで全体のスピードを上げていくことが大事なんです。
私が上海で学校を立ち上げた時も、必要な人を知っているからできてしまったようなものです。
(S) 起業家には「根拠のない自信」が共通しているとおっしゃいますが、その「根拠のない自信」を付けるには、どうしたらよいのでしょうか?

(Y) 最初は本当に根拠はなくていいんです。
本当の根拠は実際に経営をし、いろんな困難を乗り越えていくうちについていくものです(笑)。
だから、スタートの段階は、根拠のない自信を持っていればいい。自分の力に自信を持つことが大事です。それは、自分を信じれない人には誰もついてこないからですね。
社長になる練習で一番いいのは社長になること。例えば、平泳ぎの泳ぎ方を本で100時間勉強しても何にもならない。実際に水に入って泳ぐしかないんですね。
ただ、その経験を積むまでは、根拠のない自信を持っていればいい。ただし、自分を信じることだけは、絶対に忘れてはいけないことです。

(S) 最大の強みで勝負すべきだとありますが、その「自分の最大の強み」はどのようにしたら、気付いたり、発見できたりするものなのでしょうか?

(Y) 自分の中で何が強いのかを考えればいいんです。他の人と比べることはない。
自分の中の決断力に比べると、協調性の方が強い、とか。自分の中で何が強いのかを考え、それで勝負していけばいい。
技術についても、プログラミングが他の人より強くなくても、自分の中でそれが一番強ければ、それをビジネスにしていくのがいいと思います。

(S) 「サラリーマンで30万円稼ぐより、自営業で30万円稼ぐほうがよっぽど簡単だと思いませんか?」というお話が、本の中にあったのですが、これは、起業前の方々には「え?」と思う部分かも知れません。このことについて少し噛み砕いてお話して頂ければと思います。

(Y) サラリーマンをやろうと思ったら、面接試験通って、就職できて、毎日会社に通って、やっと30万になる。
でも、何かを仕入れて売るほうが簡単だと思う。
ただ、それより何より、ほとんどの人は仕入れて売ることをやったことがない。
だから、サラリーマンと自分で仕入れて売ることを比べようもない。ぜひ、一度やってみることをお薦めしますね。

(S) 吉田さんは上海でも事業展開をされていますが、上海である何か理由はあるのでしょうか?

(Y) 1995年に上海に行って、上海という街が好きになったということと、勢いを感じたことですね。
やりたいからやろうと決めて、ビジネスをやることになった。
今やってることは、上海に進出する企業に貸すレンタルオフィスを運営している。あとは、上海に進出する企業に対しコンサルティングを行っています。
2005年10月には、上海にて公開型のビジネスマッチングをやります。
社長の仕事というものは、「無駄遣い」だと思っています。まあ、黒字が出ていればの話ですけどね(笑)。上海に実際に行って、いろんなご縁があって、ビジネスになっているけど、最初の3年は何の明確な目的もなく行ってたんですね。それは社員から見ると、完全な無駄遣いなんですよ。でも、今行っておかないと、10年後損しそうな気がするから行ってる。これは社長の特権なんです。経営者としての直感から動くこともできるということです。

(S) 上海をはじめ、海外の大学で講演などをなさっているとのことですが、海外から見た今の日本の起業家と海外の起業家で何か違いはあるのでしょうか?共通点はあるのでしょうか?

(Y) 今の日本の若い人達は、景気のいい日本を知らない。でも上海の人はイケイケどんどんを知っている。
そう、今目の前に展開されているんですね。それを体感しているか、いないかにパワーの違いがありそうな気がする。
そのイケイケどんどんの中で商売するほうが、成長しそうな気がします。

(S) 吉田さんは、メルマガやブログなど様々な形でご自身の情報発信をされていますし、ドリームゲートでは、30万人以上の会員登録がある。その秘訣はなんですか?情報発信したくてもコンテンツがなかったり、なかなか会員登録が増えない起業家にアドバイスをお願いします。

(Y) ドリームゲートでは広告費も使ってて、34万人になっているんだけど、私自身は97年からメルマガをスタートしている。
これは週間でやっていた。で、今年2月から日刊でやっています。
(株)ベンチャー・サポート・ネットワークのメルマガ登録者は3,000人なんですけど、それはみんな自分が会っている人達が購読してくれています。
だから、今やっている人やこれからやる人は、いろんな交流会などに出て行って、そこで自分の情報を発信していればいい。
基本的にはべたな営業が最も重要ですよ。


(S) 吉田さんが、人知れず努力していること、これだけは守ると決めているルールみたいなものはありますか?日頃どのようなライフスタイルで生活されているか、差し支えのない範囲で生活の一端をのぞかせて頂ければと思うのですが・・・。

(Y) 仕事上では嫌な仕事を進んでやる。あとは自分自身をセルフコントロールすることです。
主治医はいるし、体重キープするために、運動したり食事も気にするなど、セルフコントロールはちゃんとしている。
また、約束を守ることが最も大事なこと。まずは、時間を守ること。そこから信頼はできあがっていきます。
でも、個人として約束を守るという段階の次に、自分のメンバーに約束を守ってもらわないといけなくなる時が来る。
そんな時に、自分自身をコントロールできない人には、他の人をコントロールはできません。
健康管理を含めて自分をしっかりコントロールすることから始めて欲しいですね。

(S) 今までに失敗したことや、今の自分ならやらなかったことなど、ご自身が乗り越えてきたチャレンジを共有して頂ければと思います。「あの時ばかりは、もうダメだと思った。」と言った体験があれば、お話できる範囲で教えて頂ければと思います。また、それをどうやって乗り越えてきて、その結果どうなったかなどお話頂ければと思います。

(Y) 失敗という失敗はたくさんしていますね。離婚や、事業でも一回失敗、バイクでこけて骨折などしています(笑)。
乗り越えてきた感覚はあまりないけど、とにかく立ち止まらなかったと思います。事業に失敗した時もちょっと期間をおいて、すぐに動き出して中小企業診断士の資格を取るなどし、とにかく動き続けた。
何も浮かばなければブラブラするなど、何かを始める。じっとしているより学ぶものは必ずあると思っていろいろとやってきた。
私は、チャレンジしている自分が好きなんです。チャレンジしていないと怠けているというか、こんなことでいいのかなって思ってしまう。
20代はウィンドサーフィンをやっていた。風と波とボードという3つの要素を織り込んでやるんだけど、それがうまくいかなくて沈するけど、また立て直して前に進む。
そういう風にして前に進んできた。もう駄目だと思って止まったことは今までない。
楽観的といわれるけど、それは自分の意志の強さの現われだと自分では思っています。

(S) 最後にこのインタビューをご覧の経営者、起業家、次世代のリーダーの皆様にメッセージをお願いしたいと思います。

(Y) 社長になるいい練習は社長になることです。平泳ぎは水の中で練習しましょう。
つまり、まずは行動すること。できることからスタートすることが大事。そのうちに見えてくるものが絶にありますから。
小さいところからスタートすることが大事です!

■ 吉田さんの講演を聞きたい人は
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吉田氏の講演には関西弁での、豪快で、笑いの渦へと巻き込む話し方自体の魅力はもちろんのこと、講演内容もビジネスの世界に身を置く多くの人達にとって、必ず知っておくべきいくつものヒントがちりばめられています。
<聴いて欲しい人>
・これから起業を目指す人
・新規事業立ち上げを任された人
・他社とのアライアンスを検討している人 等々
<講演内容抜粋>
・成功する起業家は、様々なネガティブな出来事から学び、気付き、その後の行動に活かしている
・起業家には5つのタイプがあり、それぞれのタイプがそれぞれの長所と短所を持っている
・情熱がないと成功しないが、情熱だけでは成功しない
・成功するには哲学者たれ これら、ビジネスで成功するために必要な要素を、ぜひ吉田氏の講演から学び取り、皆様の今後の成功へつなげてください。


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