月刊ビジネスデータ 共同企画
BD潜入レポート この「社員研修」がすごい!1

ビジネスデータ
吉野 真由美さん
マーケティング・サポート・コンサルティング株式会社
代表取締役


【ビジネスデータ潜入レポートについて】
企業業績が上向きつつあるいま、新卒採用や企業の営業展開が活発になってきている。そのなかで、新入社員の研修、営業研修、管理職研修なども活発に行なわれるようになってきた。
では、実際にはどのような研修が行なわれているのか。ふだん、あまり知ることができない「よその会社の社員研修」をレポートする。

【吉野 真由美さん プロフィール】

同志社大学を卒業後、生命保険、コンピューターの営業を経て、94年、世界最大手の幼児英語教材会社に入社。入社3か月後に、トップセールスとなり、97年、マネジャーに昇進。その後、5年間で業績を20倍に拡大する。05年、日本プロスピーカー協会主催のプロスピーカー試験に、過去最高得点で合格。同年、テレマーケティング業務と営業教育専門コンサルティング会社であるマーケティング・サポート・コンサルティング株式会社を設立。
http://www.ms-consulting.jp/

吉野真由美さん


 首都圏のとあるホテル。大宴会場を借りきって、その社員研修は行なわれた。大手生保の研修で、参加したの支社・支店・営業拠点のセールスレディ総勢400人。  いま生保各社では、既存顧客への契約の説明を盛んに行ない、また、新商品の販売も強化しているが、そのときに重要なのが、「アポとり」と「クロージング」だ。吉野さん自身、大学卒業後、生命保険会社での営業経験があるので、その実体験を踏まえて「トップセールスレディになるための『アポとり』と『クロージング』の極意」を披露した。



(取材:月刊ビジネスデータ)
 


〜「誰にでもできる極意」を伝授〜
吉野さん  「みなさん、こんにちは! 吉野・真・由・美と申します」。歯切れのいい口調で、研修はスタート。吉野さん自身の経歴を伝えるなかで、営業、とくに生保セールスレディに欠かせない極意を伝えていく。

 「私も大学を卒業して、まず、皆さんと同じように生命保険のセールスを始めまして、その後、世界最大手の幼児英語教材の会社に入社いたしました。……そのなかでずっと思っていたのは、絶対にトップの成績を収める、営業のマネジャーになって自分のチームをトップにするということです。絶対に結果を出す。そのために、いろいろな営業手法を開発してきました」

 アポイントをとることからクロージングへ。この一連の営業活動をどのように変革していくか。自分自身がトップになることと、自分のチームをトップにすることは、「質」の異なる話。まず、自分自身がトップになるには、それができる営業手法を編みだしていく必要があり、さらにマネジャーとしてチームをトップにするには、その手法をメンバーが共有できるものにしないといけない。

 「従来の営業活動はストレスがともなうものでしたが、私はそれを変革して、誰にでもできる、しかもお客さまの気持ちにも合った手法を広めていきたいと思っています」

 吉野さんはアポとりとクロージングの手法にしぼって研修を展開。

 「まず、自分自身の営業の現場でのトークを全部、テープに録り、どういうトークのときに成功しているか、お客さまがどのように答えたときに、どう返答しているか、きちんと整理して応酬話法を完璧にしました。それをダビングしてみんなで丸暗記したんです。完璧なトークは自信につながって、メンバーのみんなが元気になります。それによってアポとりとクロージングが劇的に変わり、成績もグンと伸ばすことができました」

 また、トークそのものだけでなく、たとえば「アポとり」がスムーズに実現できるようになるためのコツもある。  「三つのコツがありまして、リストをしっかりとしたものにすること、個人のお客さまの家に電話をかけるなら時間あたり何件、法人営業なら何件という目標・目安をしっかりすること、そして電話をかける時間帯を間違えないこと、です」

 そのようなコツを、汎用性のある内容とこの生命保険会社のケースをおりまぜて伝授する。アポイントをとる電話をかけるのに最適な時間帯は、個人か法人かという顧客の別だけでなく、扱い商品、その地域の特性などによっても変わってくる。それらを踏まえた研修だ。
 
〜大切なのは「使命感」〜
吉野さん  「成功する人って、わかりますか。笑顔で接することができる人、新しい情報を収集できる人、行動力のある人、思いやりのある人、マメな人。まとめると『人間力』のある人です。私も人間力を磨こうと営業をやってきました」

 吉野さんは、営業、人生で成功する人を、こうとらえている。そして、営業で成功するには「使命感」が大切だと語る。

 「私たちは情報をもっている側です。そして、お客さまはその情報をもっていない側です。お伝えしないと、お客さまはソンをするかもしれませんし、豊かな生活を送ることができないかもしれません。どんどん進化する商品やサービスの情報を提供し、お客さまによりトクをしていただき、豊かな生活を送っていただく。その使命感をしっかりもつことが大切です」

 研修では、吉野さんの近著『営業でみるみる新規開拓できる魔法のセールストーク』(PHP研究所)、『営業ですぐ結果を出す人の話し方』(かんき出版)などにも紹介されている営業手法とその手法を編みだした背景について、生命保険会社向けにアレンジして伝えた。一時間ほどとコンパクトな時間のなかで、いま生命保険のセールスレディたちが抱える悩み、仕事の壁を解決する手法をふんだんに盛りこんだ内容だった。
 


● 研修ひと口メモ ●
■ 「アポとり」を成功させる5つの裏テクニック ■

1 居留守を突破する
 1回目の電話のあと、すぐに再電話するのではなく、25分経ってからもう1回、電話する。30分で電話して出なければ、本当の留守。

2 相手のイライラをかわす
 「○○のときにすみません」と電話がつながった最初の2秒で言う。「朝のお忙しいときにすみません」「お昼どきにすみません」「ご飯どきにすみません」「お休みのところすみません」など。「いま、お時間よろしいでしょうか」などは×。

3 相手の「NO」をかわす
 「おうかがししてもよろしいでしょうか」は×。「○日の○時はご自宅にいらっしゃいますか」に。「YES/NO」を答えてもらうのではなく、「いる/いない」を答えてもらう。

4 自分を安売りせず「〜だったら話法」で!
 「いつでもうかがいます」は×。「○曜日の○時か△曜日の△時だったら、うかがえます」に。顧客に「来てくれ」と言われるようなセールスパーソンになろう。

5 顧客の不安を「お断わり話法」で払拭
 顧客は「断われなかったら困る」と思っている。だから一歩引いて「断わることができる」ことを伝える。「弊社の保険にお入りになるのもならないのもご自由で、『いい』と思っていただけるなら、ぜひ!」。



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